桜の林

小石川植物園(春)

江戸時代からの歴史をもつ小石川植物園。

白山の隣である小石川の名を持ちながらも所在地は白山。「白山御殿跡」から「小石川御薬園」を経て今に至る土地の歴史が垣間見られる。

4月の良く晴れた平日。10人ほどが開園を待っていた。入って坂を上がると一角が桜の林となっている。ソメイヨシノが多いが、それだけでなく、さまざまな種類の桜を楽しめるのは植物園ならでは。もちろんツツジやヤマブキも咲いているし、イロハモミジの花が咲いていて陽が当たると遠目には紅葉のようにも見える。いろんな種類があるおかげで、おきまりの花や紅葉の季節以外の姿を気づかせてくれるのも楽しい。

ひとしきり桜の花を撮影して、庭園になっているほうへと下りていく。花が少ない時期にはそこで静かなひとときを過ごすのに良いところ。近所には印刷、製本関連の工場が多く、時折機械の音が聞こえてくるのも、むしろ静かさが強調された不思議な感覚になって面白い。

浄心寺坂

浄心寺坂

白山下交差点から東、丘の上の中山道へつながる坂がある。

浄心寺坂と呼ばれ、近くに浄心寺があるからついた名だと案内板に書いてある。だが、浄心寺という名の寺はこの坂の途中にも上下にも見当たらない。地図で見ても分からなかったがウェブ上で検索すると出てくるので良く見ると、坂の上、中山道を横切り本郷通りまでまっすぐに、現在道は無いので地図上で延長すると、浄心寺とある。なるほど。

この道は一方通行で、抜け道のようにも使われている。ここの南側には崖のような地形が続くから、昔から使い勝手の良い道として機能していたのだろうか。白山下から見れば上がった先の寺の名で呼ぶのは自然なことかもしれない。

とはいえ、坂下に八百屋於七の墓があるため、別名を於七坂ともいい、そのほうが理解し易い。ちなみに浄心寺のウェブサイトにある地図では浄心寺坂の名は書かれていなかった。

富士見湯

富士見湯

白山には銭湯がある。

銭湯に通うのが当たり前だった時代ははるか遠く、今では銭湯のある地域のほうが珍しい。文京区浴場組合の公式ウェブサイトによると、銭湯は文京区内では10ヶ所しかないようで、白山にはそのうち2軒があり、一つはこの富士見湯だ。

富士見湯のある辺りは町工場が多くて汗を流しに来る人が通うのだろうか、それとも古い家も残る地域だから内風呂があっても銭湯に通う習慣があるのだろうか。理由はどうあれ銭湯があるだけで、昔ながらの生活が今も垣間見られる古き良き地域という印象を受ける。

とはいえいつまでも古き良き時代のままではいられる保証はない。近所にもう一つ銭湯があったが、もう役目を果たしたということなのだろう、数年前にやめてしまった。

やめないで欲しいというのも自分勝手な考えだし、経営者からすればたまたまやめずにいるだけで残そうとしているわけではないよと言われてしまいそうだけど、やっぱりずっと残って欲しいと思うのです。

白山下交差点

白山下交差点

この交差点は白山通りが現在のように白山をまっすぐに突き抜けるように造られて以来(1970年代前半?)、三つの交差点が組み合わさった形になっている。

白山のほぼ中心に位置し、白山1,2,4,5丁目の境が集まるところになる。

地形的にもいくつかの坂道が集まるところで、白山通りもここから巣鴨に向かって、わずかではあるが見て分かるくらいの上り坂になっている。

写真の右が白山通りの春日・水道橋方面、左が同じく千石・巣鴨方面。正面奥に向かうのは旧白山通りで向丘・本駒込に通じている。

小さな坂道の梅

小さな坂道の梅

3月25日の日曜日。

雲も多いが、昼間の陽射しは暖かく、たまたま見つけた梅の花が満開だったので、写真を載せておきます。

白山通りから小さな坂道をちょっと見上げた所で日の光をキラキラさせていたので気がついた。

はじめは桜だと思った。ところが、幹を見て梅じゃないかと思うも、知識と経験が無い上、3月下旬でピンク色の花なので判断できない。

梅にしては遅いし、桜の開花はまだ聞いていない。桜だとするとどうしてここは早いのだろう。

結論は梅としたが、なんにせよ、春なんだからチェックしとけよと教えてくれたことには違いない。

東洋大6号館

東洋大学

箱根駅伝で3度の総合優勝、全日本大学野球選手権大会でも連覇するなど、近年スポーツで目覚しい活躍をみせている東洋大学の古くからのキャンパスが白山にある。

創立してから今年で125年になるそうで、1897年に小石川原町(現在の白山5丁目)に新校舎を建てて移って来たということだから、白山での歴史も115年。もはや、白山を語る上では白山神社、小石川植物園とならんで欠かせぬものとなっている。

ここ数年はキャンパスや学部の再構成を行っているため、街を歩く学生の流れも変化をしていてしばらくは落ち着かない印象だが、それが過ぎたとき白山の街はどのようになっているだろうか。周囲の商店も高齢化に伴って閉店したり、再開発の手が入ったりと動きを増してきたようだから、一緒に見守りたいところ。

一緒にといえば、東洋大学付近の商店街では、2012年の箱根駅伝の優勝と125周年を記したペナントを吊るして大学と共に祝っているのを見ることができる。そういうところは続いていって欲しいですね。

新坂(福山坂)

新坂(福山坂)

白山は南北に長い谷とその東西の丘の上に作られた町。

つまり、坂に囲まれている町でもある。

東南の端にあるのが、新坂(福山坂)。写真のSカーブ注意の標識あたりまでが白山で、その先は西片。さらに東京大学の正門付近へと歩いて行ける。

新坂と名づけられた坂は文京区内にいくつもあって、別名を持つ坂もある。丘の上に福山藩の屋敷があったことから、ここは福山坂とも呼ばれている。

丘は丸山と呼ばれていたようで、この辺りの町内会である丸山福山町町会の名に残っている。

白山神社(春)

白山神社

その名のとおり、白山は白山神社の鳥居前町。

南に向いて突き出た台地の上にあって、建てられた当時は一番目立つ場所に造られたんだろうと想像できる。

今では高い建物に囲まれて、ふだんは目立たず静かな、この町らしいたたずまい。

初夏には紫陽花まつりが、秋には例大祭が行われ、町の中心としての地位を取り戻して賑わう。

白山で見上げたすばる

Hello 白山!

東京の白山は静かな街。とても東京の都心にあるようには思えない。

人に言っても、どこにあるのかさえぼんやりとした印象しか答えてもらえない。

それでも、気がついたら結構長く暮らしている。

だから、白山を見直してみることにした。

Hello 白山!

いい街なので、みんなにも、もう少し知ってほしい。