紙の米袋

小林園芸

白山で新潟産のコシヒカリを農家から直接買えるのを知っているだろうか。

新潟市にある小林園芸の小林さんは、旧白山通り、白山駅のある薬師坂の下のほうで月に一度、露店を出している。安心して食べられるもの、人を健康にする食べ物をという思いから、無農薬や減農薬の、より自然に近い方法で育てたコシヒカリを販売しているという。新潟名物の笹団子なんかもある。

実は、通りかかるたびに見る看板で露店を出している人がいることは知ってはいたのだが、お目にかかったことがなかった。だから、知らない人、見たことのない人も多いだろう。それでももう7年間も白山で販売しているという。話を聞いている間にも常連さんが買いに来る。しっかりファンを獲得しているようだ。小林さんの思い、これからも広まっていってほしいと思う。

http://www5e.biglobe.ne.jp/~hanataro/

ワンズバーガー

One’s Drive

One’s Driveは白山通りに面しているハンバーガーカフェで、ここのオリジナル、ワンズバーガーは辛すぎないチリソースがおいしいお気に入りのハンバーガーだ。

サイドメニューはテクス・メクスが目立つが、ビールはレーベンブロイやバスペールエールなどヨーロッパ系がメイン。ウイスキーも数多く、パブといっても良さそうな感じ。

おおむね私は、入口側のオープンな席でオールディーズが流れる店内を背中にして気楽な昼ごはんを食べるとか、ちょっと遅くなった夕食をカウンターでビールを飲みながら食べるといった使い方をすることが多い。テーブル席ではカップル、主婦、仕事帰りの人たちが楽しくすごす姿もあって、時間帯を問わず、だれにでも使いやすい雰囲気だ。

最近、新丸ビルにもお店を出してかんばっているので、白山発のハンバーガーを(なるべく白山店を)よろしく。

20140409追記:諸事情から白山のお店を閉めて、新丸ビル店(B1F)だけになった。オーナーは変わらず、もちろん味もオリジナルのまま。

http://www.onesdrive.com/

都営三田線白山駅

都営三田線白山駅

白山に来たことのない人が白山という地名を知っているというのは、おそらく地下鉄の路線図などで見たことがあるからで、それ以外の理由はあまり思いつかない。ニュースで話題に、とか、有名な何かがある、とか、そんな理由は残念ながら聞いたことが無い。なので、いきおい都営三田線の白山駅の重要性は増してくる。

地下鉄だから目立ちはしないが、人の流れは確実に駅を中心にしてできるし、外部の人は駅の名でその地域を呼ぶ。白山駅があるから白山と呼ばれるといってもいいくらいだ。駅の出入口は白山1丁目と5丁目の間、旧白山通り沿いに4ヶ所。出口を中心に商店が連なっていて、駅は名実共に白山の中心部になっている。また、本駒込、向丘の地域にも最寄り駅として利用されている。

マルゲリータ

白山ピザ

小石川植物園からの帰りに、白山ピザで食事をした。植物園からは御殿坂を上った丘の上にあって、白山駅への途中なので地下鉄で来た人にとっても帰り道だ。白山駅から見ると白山通りを渡って蓮華寺坂の上にある。

10人も入ればいっぱいに感じる小さなお店。ここのナポリ風ピザはランチにちょうど良く、値段も定食なみに手ごろ。定番マルゲリータやバジリコペーストはもちろんメイプルシロップを使ったオリジナルもあって足繁く通っても飽きない。

夕食時、丼物のように一皿と飲み物で食事を済ませるのは、他のピザ店ではしづらい雰囲気だけれど、このお店では気楽にできてしまう。店主いわくピザを食べずに飲むだけに来てくれてもいいとのこと。都心にありながらせわしくない白山の町に合ったスタイルなのかもしれなく、とても気に入っている。

桜の林

小石川植物園(春)

江戸時代からの歴史をもつ小石川植物園。

白山の隣である小石川の名を持ちながらも所在地は白山。「白山御殿跡」から「小石川御薬園」を経て今に至る土地の歴史が垣間見られる。

4月の良く晴れた平日。10人ほどが開園を待っていた。入って坂を上がると一角が桜の林となっている。ソメイヨシノが多いが、それだけでなく、さまざまな種類の桜を楽しめるのは植物園ならでは。もちろんツツジやヤマブキも咲いているし、イロハモミジの花が咲いていて陽が当たると遠目には紅葉のようにも見える。いろんな種類があるおかげで、おきまりの花や紅葉の季節以外の姿を気づかせてくれるのも楽しい。

ひとしきり桜の花を撮影して、庭園になっているほうへと下りていく。花が少ない時期にはそこで静かなひとときを過ごすのに良いところ。近所には印刷、製本関連の工場が多く、時折機械の音が聞こえてくるのも、むしろ静かさが強調された不思議な感覚になって面白い。

浄心寺坂

浄心寺坂

白山下交差点から東、丘の上の中山道へつながる坂がある。

浄心寺坂と呼ばれ、近くに浄心寺があるからついた名だと案内板に書いてある。だが、浄心寺という名の寺はこの坂の途中にも上下にも見当たらない。地図で見ても分からなかったがウェブ上で検索すると出てくるので良く見ると、坂の上、中山道を横切り本郷通りまでまっすぐに、現在道は無いので地図上で延長すると、浄心寺とある。なるほど。

この道は一方通行で、抜け道のようにも使われている。ここの南側には崖のような地形が続くから、昔から使い勝手の良い道として機能していたのだろうか。白山下から見れば上がった先の寺の名で呼ぶのは自然なことかもしれない。

とはいえ、坂下に八百屋於七の墓があるため、別名を於七坂ともいい、そのほうが理解し易い。ちなみに浄心寺のウェブサイトにある地図では浄心寺坂の名は書かれていなかった。

富士見湯

富士見湯

白山には銭湯がある。

銭湯に通うのが当たり前だった時代ははるか遠く、今では銭湯のある地域のほうが珍しい。文京区浴場組合の公式ウェブサイトによると、銭湯は文京区内では10ヶ所しかないようで、白山にはそのうち2軒があり、一つはこの富士見湯だ。

富士見湯のある辺りは町工場が多くて汗を流しに来る人が通うのだろうか、それとも古い家も残る地域だから内風呂があっても銭湯に通う習慣があるのだろうか。理由はどうあれ銭湯があるだけで、昔ながらの生活が今も垣間見られる古き良き地域という印象を受ける。

とはいえいつまでも古き良き時代のままではいられる保証はない。近所にもう一つ銭湯があったが、もう役目を果たしたということなのだろう、数年前にやめてしまった。

やめないで欲しいというのも自分勝手な考えだし、経営者からすればたまたまやめずにいるだけで残そうとしているわけではないよと言われてしまいそうだけど、やっぱりずっと残って欲しいと思うのです。