午前5時。白山神社の枝垂桜。

午前5時 白山神社と枝垂桜

最近、午前5時台に写真を撮ることにしている。春分からこちら、日の出が早くなるにつれてこの時間の空は日に日に明るさを増していく。ほんの数日前、桜の花が満開のころには、この境内の空もまだ「暗黒色」だった。それがこの日は「ライトブルー」だ。社殿の前の枝垂桜はまだ花を残していたが、花が咲くのが早かった今年、明るい午前5時になる頃にはすっかり散ってしまっていることだろう。

小石川植物園(2013春)

小石川植物園(2013春)

2013年の東京の桜の開花は非常に早く、満開の時期があっという間に来てしまった。

なので、満開の時期の写真を撮り損ねるかと思ったが、その後はどんよりとした天候が続き、花が散るペースも鈍ったようだ。おかげで、平日のある日、植物園でゆっくりと観ることができた。

桜の写真にはちょっと厳しい曇天だったが、他の花もけっこう咲いていて春真っ只中な雰囲気は十分であった。

とはいえ、まだ寒さは残るので、園内の売店のソフトクリームを食べるのはもう少し暖かくなってからにしようと思う。

白山神社 年越し

大晦日の夜9時過ぎ。近隣の蕎麦屋さんではいつもより遅くまで営業していて、親族集まって年越しそばを食べているようす。花屋さんも営業中。それでも町は普段より静か。人が集まるのは11時をまわってからだ。もちろん白山神社での初詣のため。

わざわざ遠くからお参りに来る人は少ないようだけれど、それだけ地元密着の白山神社。白山界隈の人々の年越しには欠かせない。あちこちの神社で見られるように甘酒が振舞われているし、ここではお参りした人には小さなお守りが配られたりしている。みんな一年の始まりを楽しんでいる。

午前2時過ぎ。甘酒もなくなり、人出も減っている。朝になればまた賑わうだろう。それまでわずかなうたた寝の時間。

あけましておめでとうございます。

小石川植物園(秋)

植物園で秋とくれば紅葉もみごと。

二列に並べられたイロハモミジの紅葉のトンネルをくぐるのも楽しいし、その外側の芝生に腰を下ろしてのんびり観賞するのも良いだろう。ここでは日の高いうちは葉に光を透かして、日が沈む頃には夕日に照らされる木全体を観るのがおすすめ。

他にも定番の銀杏、ドウダンツツジが見られるし、夏の間は素通りしていた名も知らない木の葉の色に驚いたりもする。すぐに名札を見て植物の名が分かるのは植物園の良いところ。ハンカチノキメグスリノキの人の手のひらのような淡い色合いがとても印象に残っている。

白山神社例大祭神輿渡御

白山神社例大祭

白山神社では、9月の第3日曜日とその前日に秋の例大祭が行われている。各氏子による神輿渡御と盆踊りが行われる。神輿渡御のクライマックスとして、連合渡御の終わりに白山下交差点で神輿が一塊となって揉み合う場面がある。

白山神社の氏子となっている町会の範囲は、この時期に道路沿いに立てられている幟を見ると、すぐに分かる。地域的には白山といってもよい白山上の商店街には根津神社の幟が立ち、小石川の方に近づくと簸川神社の幟になっている。本郷の方では桜木神社となっている。白山神社の氏子町会は案外狭い。けれども神社の境内にある各町会のための蔵を数えると13棟もある。では、神輿は13基も出るのかというとそうはいかないらしい。昔のことは知らないが、2012年神輿渡御のラストを飾る連合渡御では合計4基であった。担ぎ手が着ている半纏は様々な町会のものが入り混じり、離れた地域のものも数多く見られ、いわゆる助っ人なしでは成り立たなくなっているのがはっきりと分かる。4基出ただけでも奇跡なのかもしれない。

桜の林

小石川植物園(春)

江戸時代からの歴史をもつ小石川植物園。

白山の隣である小石川の名を持ちながらも所在地は白山。「白山御殿跡」から「小石川御薬園」を経て今に至る土地の歴史が垣間見られる。

4月の良く晴れた平日。10人ほどが開園を待っていた。入って坂を上がると一角が桜の林となっている。ソメイヨシノが多いが、それだけでなく、さまざまな種類の桜を楽しめるのは植物園ならでは。もちろんツツジやヤマブキも咲いているし、イロハモミジの花が咲いていて陽が当たると遠目には紅葉のようにも見える。いろんな種類があるおかげで、おきまりの花や紅葉の季節以外の姿を気づかせてくれるのも楽しい。

ひとしきり桜の花を撮影して、庭園になっているほうへと下りていく。花が少ない時期にはそこで静かなひとときを過ごすのに良いところ。近所には印刷、製本関連の工場が多く、時折機械の音が聞こえてくるのも、むしろ静かさが強調された不思議な感覚になって面白い。

富士見湯

富士見湯

白山には銭湯がある。

銭湯に通うのが当たり前だった時代ははるか遠く、今では銭湯のある地域のほうが珍しい。文京区浴場組合の公式ウェブサイトによると、銭湯は文京区内では10ヶ所しかないようで、白山にはそのうち2軒があり、一つはこの富士見湯だ。

富士見湯のある辺りは町工場が多くて汗を流しに来る人が通うのだろうか、それとも古い家も残る地域だから内風呂があっても銭湯に通う習慣があるのだろうか。理由はどうあれ銭湯があるだけで、昔ながらの生活が今も垣間見られる古き良き地域という印象を受ける。

とはいえいつまでも古き良き時代のままではいられる保証はない。近所にもう一つ銭湯があったが、もう役目を果たしたということなのだろう、数年前にやめてしまった。

やめないで欲しいというのも自分勝手な考えだし、経営者からすればたまたまやめずにいるだけで残そうとしているわけではないよと言われてしまいそうだけど、やっぱりずっと残って欲しいと思うのです。

東洋大6号館

東洋大学

箱根駅伝で3度の総合優勝、全日本大学野球選手権大会でも連覇するなど、近年スポーツで目覚しい活躍をみせている東洋大学の古くからのキャンパスが白山にある。

創立してから今年で125年になるそうで、1897年に小石川原町(現在の白山5丁目)に新校舎を建てて移って来たということだから、白山での歴史も115年。もはや、白山を語る上では白山神社、小石川植物園とならんで欠かせぬものとなっている。

ここ数年はキャンパスや学部の再構成を行っているため、街を歩く学生の流れも変化をしていてしばらくは落ち着かない印象だが、それが過ぎたとき白山の街はどのようになっているだろうか。周囲の商店も高齢化に伴って閉店したり、再開発の手が入ったりと動きを増してきたようだから、一緒に見守りたいところ。

一緒にといえば、東洋大学付近の商店街では、2012年の箱根駅伝の優勝と125周年を記したペナントを吊るして大学と共に祝っているのを見ることができる。そういうところは続いていって欲しいですね。

新坂(福山坂)

新坂(福山坂)

白山は南北に長い谷とその東西の丘の上に作られた町。

つまり、坂に囲まれている町でもある。

東南の端にあるのが、新坂(福山坂)。写真のSカーブ注意の標識あたりまでが白山で、その先は西片。さらに東京大学の正門付近へと歩いて行ける。

新坂と名づけられた坂は文京区内にいくつもあって、別名を持つ坂もある。丘の上に福山藩の屋敷があったことから、ここは福山坂とも呼ばれている。

丘は丸山と呼ばれていたようで、この辺りの町内会である丸山福山町町会の名に残っている。